婦人科

副腎の病気

2012.4.6 (金)

副腎は腎臓の上にあるホルモンを分泌する器官です。コルチゾールやアルドステロンといったステロイドホルモンや女性でもここで男性ホルモンが作られています。

副腎でのホルモンを作る酵素に生まれつき異常があるときは、コルチゾールやアルドステロンが減り、逆に男性ホルモンが異常に増えて、18歳を過ぎても生理が来なかったり、外性器が男性化して陰核が肥大するといった症状が見られます。副腎性器症候群と呼ばれます。

血液検査をするとテストステロンという男性ホルモンが増えていたり、コルチゾールというホルモンが減っていたり、また尿検査では17KSという数値が高くなるということが見られます。

治療は、ヒドロコルチゾールやデキサメサゾンといった副腎皮質ホルモンの働きのある薬を服用します。

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婦人科疾患、低用量ピル、緊急避妊ピル(アフターピル)、性病検査、その他

40歳未満での生理の停止

2012.4.2 (月)

日本人の閉経の年齢は45~56歳(平均約50歳)ですが、40歳になる前に閉経してしまうことがあります。早発閉経と呼ばれます。ただし、治療によって再び排卵して生理が戻ることもありますので、その場合には厳密には閉経ではないので早発卵巣不全と言う場合もあります。

まだ閉経の年齢でないのに生理が来ないといって来院される方の1%くらいに卵巣がうまく働いていないケースが見られます。卵巣の機能は、卵巣からでる女性ホルモンや脳からでる卵巣を刺激するホルモンの値を測ると分かります。

年齢より早く卵巣が働かなくなる原因には、卵胞が何らかの理由で早期になくなってしまったり、脳からでる卵胞を刺激するホルモンが減少したり、卵胞が反応しなくなってしまうことがあります。

女性ホルモンが不足した状態を放置すると顔のほてりやイライラといった更年期障害を同じ症状がでたりしますので、女性ホルモン剤を服用して治療する必要があります。女性ホルモン剤の服用はまた、骨が弱くなったり(骨粗鬆症)、動脈硬化や性器の萎縮の予防にもなります。

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おりもの(帯下)の臭いが気になるとき(細菌性膣症)

2012.3.30 (金)

おりもの(帯下)の臭いが気になる場合、トリコモナスや淋菌といった性病が原因の場合もありますが、ほとんどは膣内の細菌が正常なものから異常なものへと置き換わったことが原因です。これを細菌性膣症といいます。

正常な状態の膣内には、乳酸桿菌の一種であるデーデルライン桿菌がいて乳酸を作って膣内を酸性の状態にして他の雑菌が増えるのを防いでいるのですが、何らかのきっかけで乳酸桿菌が減り、その代わりにガルドネレラ菌やバクテロイデス属といった菌が増えるとおりものに臭いが強くなります。
きっかけとしては、過度の性交、膣内の洗浄のやり過ぎ、化膿止めの服用、過労やストレスなどによる体の抵抗力の低下、タンポンの抜き忘れなどがあります。

細菌性膣症になっても症状なでないこともありますが、臭いや軽度のかゆみがみられることもあります。細菌性膣症になると一般的におりものはさらさらの状態になることが多く、おりものを顕微鏡で見ると膣壁から剥がれた細胞の周囲に雑菌が集まったクルー細胞というものが見られます。
細菌性膣症は性病ではありませんが、頻回の性行為によってなることが多いので性病の検査もあわせて受けることをお勧めします。

妊娠していないときは症状がなければ特に治療は必要ありませんが、妊娠中に細菌性膣症になると流産や早産の原因になりますので、症状がなくても妊娠15週くらいまでには治しておくことが必要です。
膣内に入れる錠剤(クロマイ膣錠やフラジール膣錠)を数日間使えば早く症状は消えますが、上にあるようなきっかけがあると再発することがあります。

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ヒトパピローマウイルス(HPV)

2012.3.26 (月)

人だけに感染するウイルスで性行為によって人から人へ感染し、子宮頚がん(子宮の入り口にできるガン)や尖圭コンジローマというイボの原因となります。
100種類以上のタイプがありますが、子宮頚がんの原因となるのは、16、18、31,33、51、52型などです。また、尖圭コンジローマは、6、11、40、42型などで生じます。
ありふれたウイルスで多くの女性が一度は感染すると言われています。とくに若い女性での感染率が高くて、10代では約40%、20歳台前半では約30%に感染が見られます。

HPVに感染してもほとんどの場合、体の免疫力で排除されてしまいますが、まれに感染が続いて異形成(がんの一歩手前の状態です。)からさらに子宮がんへと進んでしまうケースがあります。

ウイルスに感染しているかどうかを検査することも可能です。検査は子宮の入り口をブラシでこすって行います。さらに詳しい検査をすればどのタイプのヒトパピローマウイルスに感染しているかも知ることができます。

20歳以上になれば年に1度は子宮頚がんの検診を受けるのがよいのですが、ウイルスの検査でヒトパピローマウイルスがいないことが分かれば、子宮がんの検診は3年に1度くらいでもよいとされています。

治療方法はなく、感染したら異形成や子宮がんの方に進んでいないかを3ヶ月から6ヶ月ごとに検診でチェックしながら体の免疫力で自然に治るのを待つ以外にありません。
最近では、予防ワクチン(サーバリックスなど)がありますが、ワクチンで治療することはできません。

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カンジダ

2012.3.23 (金)

外陰部がかゆい、痛がゆいといった場合はカンジダの疑いがあります。膣内や外陰部でカンジダが増えて炎症が起きるとかゆみがでますが、炎症が強くなると痛みを感じるようになります。

カンジダは性行為でうつる場合もありますが、カンジダは健康な場合でも、もともと皮膚、口、消化管、膣にいる菌で、普段は人体に害は与えませんが、何らかのきっかけで増えて症状が出ていることの方が多いです。
カンジダが増えるきっかけとしては、例えば、不規則な生活や病気などで体の抵抗力が落ちた、かぜ薬を飲んだ、外陰部が汗、おりおの、尿・便などで不潔になった等があります。また妊娠中も女性ホルモンが増えていますので膣内のグリコーゲンも増えるためにカンジダが繁殖しやすくなります。

カンジダが増えると外陰部や膣内が発赤しておりもの(帯下)が塊になっていることが多いですが、膣内やおりものが一見正常に見えてもカンジダが繁殖している場合もありますので、診断は、顕微鏡でおりものを検査してカンジダの菌糸や胞子を確認することが必要です。

外陰部にかゆみなどを感じるときは、膣内で増えたカンジダは外陰部にまで広がっていますので、治療は、膣の中に入れるお薬と塗り薬の両方を使う必要があります。カンジダはカビの一種ですのでカビに効く抗真菌剤の膣錠や塗り薬を使います。
ときどきかゆみがあるので薬局でフェミニーナ軟膏などのかゆみ止めを買って使っている方がおられますが、カンジダが治らないばかりか逆に悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。
治療すれば多くの場合、数日でかゆみなどの症状は消え治りますが、上記のようなきっかけがあれば再発することがあります。

その他、性行為でカンジダが再感染すると治り難くなりますので、コンドームを使用したり、パートナーの治療が必要になります。

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クラミジア感染症

2012.3.21 (水)

性行為でうつる病気(性病)の中では最も多い感染です。感染しても初期の頃にはほとんど自覚症状はありませんので、知らないうちに他人に感染させてしまうために感染が広まっています。
放置すると将来、妊娠しにくくなったり(不妊症)、妊娠しても子宮以外の部分に受精卵が着床してしまう子宮外妊娠の原因になりますので、症状のないときから積極的に検査する必要があります。

初期には自覚症状はありませんが、おりもの(帯下)を顕微鏡で見ると白血球が正常より増えていたり、子宮の入り口(外子宮口)から水の様なおりものがたくさん出ていたりする場合があります。また、ときに不正出血を起こすこともあります。
クラミジアは最初、子宮の入り口付近(子宮頚管)に感染しますが、治療しないで放置すると子宮の中に入り、さらに卵管からお腹の中にまで感染が広がって行きます。
子宮の中からお腹の中に感染が広がってもあまり強い症状はでない場合が多いです。お腹に違和感を感じるまたは少し痛みがあるといったことが多いです。ただし、クラミジアがお腹の上の方にまで広がり肝臓の周辺にまで炎症を起こすと強い痛みがでるようになります。

クラミジアの検査は、子宮頚管を綿棒で擦って行います。痛みのない簡単な検査です。

クラミジアの治療は、ジスロマックというマクロライド系のお薬を服用します。
他にテトラサイクリン系やニューキノロン系という薬でも治療できますが、これらの薬は妊娠中には使えませんので注意が必要です。また、感染のときよく使われるペニシリン系やセフェム系という化膿止めはクラミジアには効きません。

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外陰部のできもの(外陰部の腫瘍)

2012.3.16 (金)

一番多くみられるのがコンジローマです。これはヒトパピローマというウイルスによってできるもので表面がニワトリのトサカのようにぎざぎざの複雑な形をしていることが多いです(まれに表面が平らのものもありますが)。小陰唇で囲まれた膣前庭とよばれる部位や肛門周囲に多いですが、膣壁や子宮が膣内に出ている部分(子宮膣部)にもできている場合があります。痛みやかゆみは一般的にありません。
治療は塗り薬(ベセルナクリーム)もありますが、治るまでに時間がかかるので、注射で麻酔して電気メスで取り除くことを希望される方が多いです。
再発する場合もあるので、1ヶ月に1回のペースで3ヶ月間くらいは検診を受ける必要があります。

コンジローマとよく間違って来院されるものに外陰前庭乳頭腫症とよばれるものがありますが、これは粘膜の表面が敷石状に凹凸状になったもので病気というより粘膜の性質というべきものですので治療の必要はありません。

外陰部が腫れて痛いといって受診される方に比較的多いのは、バルトリン腺膿瘍、感染性の表皮のう胞、せつ、化膿性汗腺炎などです。
バルトリン腺膿瘍は外陰部の片側が大きく腫れてかなり強い痛みがでます。バルトリン腺の出口が何らかの理由でふさがって内部にたまった分泌液に細菌が感染したために膿がたまり腫れて痛みがでます。バルトリン腺を切開して中の膿を出してから抗生物質を飲んで治療します。
何度も繰り返すようなときにはバルトリン腺の出口を手術で新しく作る場合もあります。

外陰部のできもので痛みもかゆみもないものには、上皮性のポリープ、線維腫、外陰上皮内腫瘍、汗管腫、伝染性軟属腫、フォックス・フォアダイス病といったものもあります。
見た目上それぞれに特徴がありますので、診断のうえ適切な治療を行います。

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卵巣のう胞、卵巣腫瘍

2012.3.12 (月)

一般的に症状はでないことが多いです。しかし、サイズが大きくなるとお腹に違和感や膨満感を感じたりトイレが近くなったり、便秘といった症状が起きることもあります。また、茎捻転といって卵巣腫瘍が捻じれたりすると強い腹痛が生じます。

卵巣のう胞、卵巣腫瘍には非常にたくさんの種類があります。
例えば、出血性卵胞のう胞や出血性黄体のう胞は、生理(月経)の周期に伴って自然にできたり消えたりするもので機能性卵巣のう胞と呼ばれます。症状はまったくない場合から強い腹痛が起きる場合までいろいろです。とくに性行為後に急にお腹が痛くなったというようなときは出血性黄体のう胞が破れて中にたまっていた血液がお腹の中に流れ出たケースが多いです。
比較的若い女性に多いものでは、チョコレートのう胞やデルモイドシストがあります。チョコレートのう胞は子宮内膜症が卵巣にできたもので生理のたびに卵巣の中で出血して内部に血がたまりチョコレートの色に似ているのでこのように呼ばれます。
デルモイドシストは、内部に脂肪や髪の毛やときには歯が形成されるもので成熟のう胞性奇形腫とか類皮のう胞腫ともいいます。
これらはいずれも良性のものですが、卵巣がんのような悪性の腫瘍もあります。

超音波エコーで卵巣を観察して、その特徴から良性や悪性なのか、どういった種類ののう胞か腫瘍かといったある程度の推定は可能です。しかし、確実に診断するには手術で摘出して組織を検査してみることが必要となります。

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子宮頚がん

2012.3.9 (金)

子宮の入り口付近にできるガンです。いきなりガンになるのでなく異形成という中間の段階を経てガンになります。

原因は性行為によってヒトパピローマというウイルスが子宮に感染することです。ただし、このウイルスに感染したからといって全員が異形成やガンになるわけではありません。ほとんどは免疫力でウイルスが排除されてしまいますが、数%は感染が長く続き異形成からガンへと進展して行きます。

異形成やガンでも初期の頃には症状がありませんので、検診で発見する必要があります。
ガンが進行すると不正出血などの症状が生じたりします。とくに性行為後の出血があるときは子宮頚がんの検診を受けるべきでしょう。
検診は簡単で細胞診といって子宮の入り口付近を擦って細胞を採取するだけです。痛みはありません。細胞診で異常が見つかればさらに精密な検査が必要になります。

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子宮内膜症

2012.3.6 (火)

子宮の中にあって生理のたびに剥がれて血液といっしょに出て行く子宮内膜と似たような組織が卵巣や腹膜などにできる病気です。女性の10%くらいに見られるますので、それほどめずらしいものではありません。

原因はまだはっきりとしていませんが、生理のとき外へ排出される内膜が卵管を通じて逆流してお腹の中に移植されるのではないかと言われています。

生理痛(月経痛)が生じ、そして生理痛がだんだん強くなって行くという特徴があります。子宮内膜症が重症になると生理日以外にも下腹部に痛みを感じたり(骨盤痛)、子宮内膜症でできる位置によっては、性交痛や排便痛が生じることもあります。
また、この病気の患者さんの半分ぐらいは不妊症になるとされています。

この病気が卵巣にできると生理のたびに卵巣の中で出血して貯留しチョコレートのう胞と呼ばれるできものが生じます。超音波エコーで比較的簡単に診断がつきます。また、内診すると子宮の動きが悪かったり、子宮と直腸の間にしこりを触れたり、お腹にひびくような痛みを感じます。

生理痛などの痛みは最初、鎮痛剤や低用量ピルを使って軽減しますが、これらで痛みがあまり減らないときは、黄体ホルモン剤(ジェノゲスト)を使う場合もあります。
これらのお薬で痛みが減らなかったり、不妊症の場合は手術をして病巣を取り除いた方が望ましいこともあります。とくにチョコレートのう胞から卵巣癌が発生する可能性が指摘されていますので、45歳以上の方の場合は手術が必要と考えられます。

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