外陰部のかゆみや痛み

外陰部はおりもの(帯下)、汗、下着やナプキンなどによって常に刺激を受ける部位ですので湿疹が生じやすい場所です。湿疹が長引くと慢性湿疹になり皮膚が厚くなり溝が深くなる苔癬化という状態になります。外陰部が赤くなりかゆみや痛みがあるときはカンジダの可能性があります。カンジダは抗生物質の服用や体調不良などがきっかけとなり膣内で増えさらに外陰部まで広がると外陰部に赤みが生じてかゆみが生じます。炎症が強くなると痛みがでることもあります。淋菌などの性病は子宮頚管という子宮の入り口に感染するのですが、ときに外陰部にかゆみが出ることもあります。

外陰部に強い痛みがでる病気には性器ヘルペスがあります。その他、皮膚の下に膿が溜まる膿瘍も外陰部にはよくみられます。バルトリン腺に膿が溜まるとバルトリン腺膿瘍といって外陰部の片側だけが大きく腫れて歩いたり座ったりするのも苦痛になるくらいの強い痛みがでます。

いずれの病気も見ただけでほとんどの場合診断がつきますが、おりものを顕微鏡で観察する検査などが必要になることもあります。診断がつけば病気に応じた薬を服用すれば比較的短期間で治ります。ただし、膿瘍では薬を飲むだけでは治り難いので切開して排膿する処置が必要となります。またバルトリン腺膿瘍では再び膿が溜まらないようにバルトリン腺の出口を作る造袋術という手術を行うこともあります。