子宮頚がんの検査

子宮頚がんかどうかを診断するには組織の小片を採って検査する組織診を行う必要がありますが、その前に通常は綿棒やブラシで子宮の入り口付近を擦って細胞と採取して検査する細胞診を行います。擦るだけなので痛みもなく5分程度で終わります。細胞診の結果をみて組織診が必要かどうかが決まります。

組織診はコルポスコピーという器械で子宮の入り口付近を拡大して観察して異常がある部位を狙って組織を特殊な器具で採取して行います。15分?20分くらいかかります。多少の痛みを伴います。組織診の結果は、異常なし、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成、上皮内癌といったように診断されます。一般的に軽度異形成や中等度異形成ではすぐに治療は必要でなく3カ月に1回の割合で細胞診を行いながら経過を観察します。これらの段階では自然治癒力によって正常細胞に戻ることが多いからです。高度異形成や上皮内癌であれば検査と治療をかねて子宮の入り口付近を円錐形に切り取る手術を行うことが多いです。

子宮頚がんは子宮膣部や子宮頚管と呼ばれる子宮の入り口付近にできます。ほとんどの場合は扁平上皮がんと呼ばれるもので性行為によって子宮に感染したヒトパピローマウイルスHPVが細胞をがん化させて生じます。まれに腺がんと呼ばれる組織の異なるがんも発生することがあります。正常細胞がいきなりがん細胞になるのでなく異形成と呼ばれる正常とがんの中間の段階を経てがんに変化します。

子宮がん検診はがんがあるかどうかだけでなく、この異形成の段階で早期に発見することも目的です。異形成と診断されて治療が必要となっても通常は、子宮の入り口をレーザーで焼いたり円錐形に切り取る比較的簡単な手術で済み、子宮を取ることまでは必要ありません。