性病（性行為感染症）のなかでも最も多くみられます。性行為によってクラミジア・トラコマチスという病原体が女性器に感染します。最初は、子宮の入り口の部分（子宮頚管）に感染します。診察すると、子宮の入り口から水のようなオリモノ（水様性帯下）や少量の出血がみられることがありますが、この段階ではほとんど症状はありません。しかし、治療せずに放置するとさらに子宮、卵管さらにお腹の中（腹腔内）へと感染が広がってゆきます。

子宮や卵管にまで広がると、水様性帯下（水の様なおりもの）やお腹の痛みを感じることもありますが、この段階になっても症状を感じないことも多いです。卵管にクラミジアが長く感染していると、膿がたまったりして卵管がつまり妊娠できない状態（不妊症）になる場合もあります。お腹の中にまで感染すると、クラミジアは内臓同士をひっつける（癒着させる）性質がありますので、長く頑固な腹痛を起こします。

クラミジアの検査は、子宮の入り口（子宮頚管）を綿棒でこすってしますが（抗原の検査）、感染してから長期間たっているときは、クラミジアは子宮の入り口からさらに奥の方へと移動していますので、血液検査（抗体の検査）を行うこともあります。したがって、クラミジアの感染を正確に知るには、子宮頚管と血液の両方の検査が必要です。

クラミジアに感染していることが分かれば、自然に治ることはほとんどないので、治療が必要になります。

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