不正出血の原因とは?病院に行くべき?

大阪なんばの婦人科星光クリニック
06-6484-0001

コラム

COLUMN

2025.07.30

不正出血の原因とは?病院に行くべき?

女性の体に現れるサインのひとつである「不正出血」。生理ではない時期に出血があると、多くの方が驚きや不安を感じるのではないでしょうか。原因はホルモンバランスの乱れのような一過性のものから、子宮や卵巣の病気、さらには命に関わる疾患まで幅広くあります。どのような出血が「不正出血」とされ、どんな場合に病院を受診すべきかを理解することは、女性の健康管理において非常に重要です。

本記事では、「不正出血の原因や見極めのポイント」と「病院に行くべきタイミング」について解説します。

不正出血とは何か?月経との違い

不正出血とは、本来の月経周期以外で起こる性器からの出血を指します。月経と違って量が少なかったり、短期間で終わったりすることが多く、自覚しにくい場合もあります。排卵期の出血や性交後の出血、閉経後の出血なども不正出血に含まれます。正常な月経周期を把握しておくことで、いつもの生理と違う出血に気づきやすくなります。基礎体温を記録することも、出血の種類を判断する手がかりになります。

不正出血の主な原因|ホルモンの乱れから病気まで

不正出血の原因には、大きく分けて「機能性出血」と「器質性出血」があります。機能性出血は、ストレスや過労、睡眠不足、急激な体重変動などによってホルモンバランスが崩れたときに起こります。一方、器質性出血は、子宮筋腫や子宮内膜炎、子宮頸がん、子宮体がんなどの病変が原因です。特に40代以降での不正出血や閉経後の出血には注意が必要です。若年層でもクラミジアや淋菌といった性感染症が出血の原因となることがあります。

排卵期出血や着床出血など生理的なケースもある

必ずしも「不正出血=病気」ではありません。排卵期に女性ホルモンのバランスが変化することで、一時的な出血が起きることがあります。これを「排卵期出血」と呼び、出血は数日で自然におさまることが一般的です。また、妊娠の初期に起こる「着床出血」も一過性の出血であり、少量かつ短期間で終わる特徴があります。ただし、どちらも出血の量や回数が多かったり、強い腹痛を伴ったりする場合には注意が必要です。

病院に行くべき不正出血の特徴とは?

病院を受診すべき不正出血のサインには、いくつかの共通点があります。たとえば、月経以外の時期に繰り返し出血がある、出血の量が多い、出血に強い下腹部痛や腰痛を伴う、性交後に出血が起こる、悪臭のあるおりものを伴うなどの症状が見られる場合は、婦人科の診察が必要です。閉経後の出血も、子宮体がんの可能性があるため早期受診がすすめられます。初期の病気ほど自覚症状が少ない傾向にあるため、放置せず専門医の判断を仰ぐことが大切です。

婦人科で行われる検査内容とは?

婦人科では、不正出血の原因を特定するためにいくつかの検査を行います。まずは問診や内診で、出血の状態や子宮・卵巣の大きさ、異常の有無を確認します。続いて、超音波検査(経腟エコー)や子宮頸部の細胞診(がん検診)、血液検査、性感染症検査などが行われることがあります。必要に応じて子宮鏡検査やMRIなどの精密検査に進むこともあります。検査結果を踏まえて、ホルモン療法や手術などの治療方針が決定されます。

不正出血が続く場合の対処法と予防のポイント

不正出血が続く場合には、症状に合わせた適切な治療が必要です。ホルモンバランスが原因であれば、低用量ピルなどを用いたホルモン療法が行われることが多く、器質的な疾患がある場合は手術による対応も視野に入ります。生活習慣の見直しも重要で、ストレス管理や栄養バランスの良い食事、適度な運動がホルモンバランスの安定に役立ちます。また、年に1回の婦人科健診を受けておくことで、病気の早期発見につながります。

​​20代の不正出血は様子を見ていい?

20代の不正出血は様子を見てもいいと言われることがありますが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。たしかに20代ではホルモンバランスの変化が起きやすく、ストレスや生活習慣の乱れが一時的な出血につながることもあります。排卵期出血や着床出血など、生理的な出血であれば心配のない場合もあります。しかし、出血の量が多かったり、何度も繰り返したり、下腹部痛や異常なおりものを伴う場合には注意が必要です。若年層でも子宮頸がんや性感染症の可能性はゼロではありません。自己判断で様子を見るよりも、気になる症状があれば早めに婦人科で相談することが、健康を守るために大切です。

自分の体の変化に敏感になることが大切

不正出血は、女性の体からの重要なメッセージです。生理以外の出血を「一時的なもの」と見過ごしてしまうと、病気の発見が遅れてしまう可能性もあります。大切なのは、自分の体に起きている変化に敏感でいること。そして、違和感を感じたときは我慢せずに婦人科を受診することです。恥ずかしさや不安を感じる方もいるかもしれませんが、医師は専門的な知識を持って丁寧に対応してくれます。