おりものの臭いの治療

おりもの(帯下)の臭いの原因は膣内で雑菌の増加していることが多いのですが、トリコモナスや淋病といった性病が原因となっていることもありますので、まず検査で原因を調べてから治療方法を選びます。

雑菌が増えているときは、クロマイ膣錠やフラジール膣錠といった薬を1週間くらい使うと臭いは消えます。トリコモナスの場合はフラジールの内服薬と膣錠の両方を10日間使って治療します。ただし、妊娠中のときはフラジール膣錠だけを使います。フラジール膣錠は本来、トリコモナス原虫を治療するためのお薬ですが、雑菌が増えて臭いがする場合にも効果があります。淋病ではロセフィンという薬を1回だけ注射します。

正常な状態の膣内には乳酸桿菌がいて膣内を酸性にして雑菌の繁殖を防いでいるのですが、正常な細菌叢が乱れるとガルドネレラ菌やバクテロイデス菌などの雑菌が増えて臭いがするようになります。細菌性膣症といいます。細菌性膣症は性病ではありませんが、過度の性交、抗生物質の服用、不規則な生活、過労、ストレスや過度のダイエットなどによる体の抵抗力の低下、タンポンの取り忘れといったことが原因となって膣内の正常な細菌が消えて代わりに雑菌が増えてしまいます。したがって、治療によっていったん雑菌がいなくなっても再び雑菌が増えて臭いがすることもあります。おりものを顕微鏡で観察すると細胞の周囲に雑菌がとりついたクルー細胞という特徴的な細胞や水酸化カリウムを加えると魚臭がすることなどから診断します。

病気がなくても月経周期によりまたは個人によっておりものに臭いがする場合もありますが、その場合には治療は不要です。